2006 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞分化因子シグナル伝達経路におけるTAK1・MAPKKKの機能同定
Project/Area Number |
05J07841
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上村 規行 名古屋大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞内シグナル伝達 / 破骨細胞 / 骨恒常性 / 細胞分化 |
Research Abstract |
破骨細胞分化因子(RANKL)は、破骨細胞の分化と活性化に必須の因子である。RANKLは細胞表面のレセプター(RANK)に結合し、転写因子NF-k Bの活性化、c-fosの発現誘導・活性化を介して破骨細胞分化に働く。しかし、レセプターからこれらの活性化に至るまでのシグナル伝達の機構は十分解明されていない。これまでの研究の結果、TAK1がRANKL刺激によつて活性化されること、優勢変異型TAK1がRANKLシグナルによるNF-k Bの活性化を阻害することが明らかになっていた。このことは、TAK1がRANKLシグナルにおいて中心的働きをしている可能性を強く示唆する。そこで、本研究では、TAK1が破骨細胞分化で果たす役割を明らかにすることを目的とした。 TAK1およびそのアダプタータンパク質であるTAB2が破骨細胞分化に必須であるか検討するため、野生型およびTAK1ノツクアウト、TAB2ノツクアウト破骨細胞前駆細胞を単離し、TAK1およびTAB2が破骨細胞分化において果たす役割の同定を試みた。前年度までに、TAK1、TAB2がともにRANKL刺激依存的な破骨細胞分化に必須の働きをすること、さらにRANKL刺激依存的なc-fosの発現誘導に必須であることが明らかになった。本年度の研究では、TAK1およびTAB2がRANKL刺激によるc-fos発現誘導を制御する機構の解明を試みた。その結果、RANKL刺激依存的なc-fos発現誘導にはERK MAPキナーゼの活性が必須であること、さらにTAK1およびTAB2がRANKL刺激依存的なERK活性化に必須の働きをすることを見いだした。 次年度では、TAK1およびTAB2が破骨細胞分化制御・骨の恒常性維持において役割を解明することを目的とする。
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