2005 Fiscal Year Annual Research Report
コーエン・マコーレー環とその上の加群のホモロジー代数的な評価
Project/Area Number |
05J07887
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
高橋 亮 明治大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 全反射加群 / G次元 / ゴレンシュタイン環 / コーエン・マコーレー環 / 半双対化加群 / CM近似 |
Research Abstract |
1.全反射加群の圏 全反射加群の圏の有限生成加群の圏の中での反変有限性を統括的に調べるために,全反射加群による右近似をもつ加群を調べ,それらのなす圏が全反射加群の圏と全反射加群の圏の右直交圏によって生成されるthickな圏であることを証明した。また,全反射加群の圏が反変有限になるための数々の十分条件を与え,さらに,全反射加群による右近似をもつ加群のTateコホモロジーの消滅による特徴づけも行った。 2.球近似とCM近似 球近似の概念はAuslander-Bridgerの著名な論文"Stable Module Theory"の主結果の一つである。一方,CM近似はAuslander-Buchweitz理論の主定理であり,Cohen-Macaulay局所環上の加群の理論に大きく貢献してきた。私はこれら二つの近似定理がよく似ていることに着目し,両者を統合する近似定理を与えた。これは私が吉野氏と荒谷氏との共同研究で得た全反射加群に関する近似定理も含んでいる。また,V.Masekの定理を拡張する結果も与えた。 3.直既約全反射加群の同型類の個数 深さが2以下の非Gorenstein局所環上では,非自由な全反射加群が一つでも存在すれば直既約な全反射加群の同型類は無限個存在することがわかっている。私はこの結果の一般の場合の解決を目指し,非自由な巡回全反射加群が一つでもあれば直既約全反射加群の同型類は無限個存在することを,任意の深さの非Gorenstein局所環に対して証明した。系として,Gorenstein環でないような半双対化加群のイデアル化上には必ず無限個の非同型直既約全反射加群が存在することが言える。
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Research Products
(6 results)