2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08042
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮本 泰行 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | イソブタン / 自然作動流体 / 炭化水素 / 熱力学性質 / プロパン / ベローズ変容法 / PρTx性質 |
Research Abstract |
本年度初めより、ベローズ容器内容積検定等を含めた校正実験を、測定対象温度ならびに圧力範囲について従来よりも高精度に実施した結果、最終的な密度測定不確かさを0.11%から0.09%に低減することができた。一方で、温度範囲340K〜400Kの範囲において、プロパンに関する精密測定を実施し、PρT性質実測値計63点、飽和蒸気圧力実測値計8点を得た。なお、本研究で採用した金属ベローズ変容法の利点から、PρT性質については熱力学状態曲面上の任意の温度および圧力における格子状の測定結果が得られており、熱力学関係式を介して等温圧縮率や比熱差などの誘導状態量に関しても、実測値ベースの数値情報を得ることができた。さらに、複数の測定者による既存のPρT性質実測値群との同一温度および圧力における密度測定を実施し、本実測値と文献値との良好な整合性を確認した。加えて、プロパンに関する既存の熱力学モデルが、これまで実測値情報の不足した領域において本実測値と明確な系統密度偏差を示していることから、熱力学モデルの改良の必要性を示唆することができた。また、これら一連の研究成果の一部は、国内外における学会で口頭発表し、さらに実測値の一部をInternational Journal of Thermophysics誌に論文として投稿した。 なお、本年度内には温度範囲280K〜440K、圧力範囲〜200MPaまでの広い範囲において、プロパンに関する精密測定を完了する予定であり、測定が終了し次第論文として投稿する予定である。さらに、ノルマルブタン、およびプロパン/イソブタン系混合冷媒についても、順次測定を精力的に実施するとともに、本研究で得られた新しい実測値を入力値として、炭化水素系冷媒および混合冷媒に関する世界最高精度の熱力学モデルの開発を目指した研究も併せて実施する計画である。
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Research Products
(7 results)