2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08042
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮本 泰行 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | イソブタン / 自然作動流体 / 炭化水素 / 熱力学性質 / ノルマルブタン / プロパン / ベローズ変容法 / PρTx性質 |
Research Abstract |
昨年度より継続したプロパンの熱力学諸性質に関する精密測定が本年度初めに完了し、その後直ちにノルマルブタンに関する精密測定を開始した。その結果、温度280K〜424Kの範囲において、PρT性質実測値計112点、飽和蒸気圧力(P_S)実測値計15点、および飽和液体密度(ρ')実測値計7点を得た。なお、P_S実測値については、比較的低い温度(〜340K)までしか報告されていないごく最近の精密な文献値との極めて高い連続性に加え、臨界温度(425.125K)のごく近傍までの状態曲面を解明した上で、以前の古い文献値データに、構造異性体であるイソブタンの不純物による影響がある可能性が高いことを明らかにすることができた。さらにPρT性質については、ノルマルブタンに加え、これまでに測定が完了しているプロパンおよびイソブタンの精密な実測値が蓄積できたことにより、中低圧域におけるごく最近の精密な文献値群のより体系的な信頼性評価に加え、既存の状態方程式群に関しても、補外域を含めた全流体域における一貫性のある比較検討および改良の必要性を示唆することができた。なお一連の研究成果は、国内外における学会で口頭発表し、さらに上記実測値群は、Journal of Chemical Thermodynamics誌に3報の論文として投稿した。その後、装置の信頼性と操作性の更なる向上を目指した一連の校正実験を測定対象温度ならびに圧力範囲について実施した上で、現在はプロパン/イソブタン系混合冷媒に関する精密測定を実施中であり、測定が終了し次第論文として投稿する予定である。さらに、他の2成分系混合冷媒に加え、3成分系混合冷媒についても、順次測定を精力的に実施するとともに、本研究で得られた新しい実測値を入力値として、炭化水素系混合冷媒に関する世界最高精度の熱力学モデルの開発を目指した研究も併せて実施する計画である。
|
Research Products
(8 results)