2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08042
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮本 泰行 Keio University, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | イソブタン / 混合物 / 自然作動流体 / 炭化水素 / 熱力学性質 / プロパン / ベローズ変容法 / PρTx性質 |
Research Abstract |
炭化水素系純物質に関する精密測定は昨年度までにすべて終了し、その後プロパン/イソブタン系混合冷媒に関する精密測定を開始した。測定に先駆けて、サンプルの混合過程や充填過程における改良を実施し、モル分率について±4.4×10^<-4>、密度について±0.09%の測定不確かさを得ることができた。また、本研究により、プロパン/イソブタン系およびプロパン/ノルマルブタン系について、それぞれ318点および321点のPρTx性質実測値を得た。なお、自然作動流体への近年の注目度の高まりから、これらの混合系についても複数の文献データがごく最近に報告されているが、データ相互間には大きな偏差が確認されている。両混合系についての本実測値は、35MPa以下の圧力範囲において、それぞれ信頼性の最も高い文献値と極めて良好に一致した。加えて、200MPaまでの補外圧力域において、既存の状態方程式が最大で約1%の極めて顕著な相対密度偏差を示しており、改良の必要性を示唆することができた。 一方、本研究による純物質についての実測値と併せて、混合溶液の熱力学性質を解明する上で最も重要な性質の1つである過剰モル体積を各2成分系混合物に対して実測値ベースで算出し、低温低圧になるに従って分子間の相互作用が顕著となる状況を数値的に明らかにすることができた。さらに、過剰モル体積をRedlich-Kister式に相関し、組成依存性をモデル化して比較・検討すると共に、PρTx性質実測値と併せてJournal of Chemical Thermodynamics誌に2報の論文として投稿した。加えて、他の2成分系および3成分系混合物についても概ね測定が完了し、国際学会で口頭発表した。本研究でこれまでに得られた一連の研究成果が、自然にやさしい様々な作動流体の実用化やシステムの改善に長期にわたって役に立つことが期待できる。
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Research Products
(4 results)