2006 Fiscal Year Annual Research Report
「信頼の提供」に基づいたNPOと行政のパートナーシップ・モデルの提示
Project/Area Number |
05J08080
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中川 祥子 慶應義塾大学, 大学院政策・メディア研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | NPO / 行政 / パートナーシップ / 認証・評価システム / 信頼 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「NPOが、行政が定めたルールや方法によって統治される市場の下、企業を含む多様な主体と競争しながら、質の保証を行う」という「認証・評価システム」におけるNPOと行政のパートナーシップのあり方と、NPOの新たな存在意義として、社会的信頼の形成があることを提示することである。ここでは、特に、NPOが企業などと競合し、活発に質の保証を担っている一方、そこにおける公的介入の度合いが異なる、介護と有機農産物に着目する。平成17年度に行った利用者へのアンケート調査と、平成18年度に行ったケーススタディの結果から明らかとなったことは、以下のことである。 1.サービス分野やセクターの違いに関わらず、利用者は、サービスの供給・受給において、「信頼」を最も重視している 2.NPOへの信頼は、従来、よく指摘されてきた「非営利性」からもたらされているのではない 3.「経済性最優先ではないポリシーを実践する」ことが、利用者やスタッフ、行政からのNPOに対する信頼を創出する 4.強い公的介入よりもむしろ、事業委託やパートナーシップなど、ゆるやかな関与が、NPOの信頼形成に寄与する 本研究は、日本という一国の中の限られたケースに焦点をあてたものではある。しかし、「認証・評価システム」という信頼そのものを扱う事業に着目することで、より広く、利用者に信頼できるサービスを提供するための、NPOと行政の効果的なパートナーシップのあり方について、示唆を与えられるものと考えている。
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Research Products
(3 results)