2005 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国における地域資源の持続的維持システムの構築に向けた研究
Project/Area Number |
05J08087
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
設楽 知弘 慶應義塾大学, 大学院・政策・メディア研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 発展途上国 / 地域資源 / エチオピア / 建築 / 都市計画 / サスティナブル / 維持システム |
Research Abstract |
ゴンダール中心市街地をモデルケースとした研究を通じて、地域が草の根レベルから取り組み実現可能な発展途上国に於ける地域資源の持続的維持システムの構築を目的とする。急激な人口増加により中心部に現存するイタリア植民地建築や伝統的円形住居、豊かな植生などの地域資源の破壊が深刻な同市に於いて、これらの持続的維持の実現に向けては、行政や研究機関、NGOや地域住民などのネットワーク形成を通じた学術的研究が不可欠であると共に、地域情報データベースの構築やGISによる的確な分析からターゲットを絞った戦略的な計画が必要となる。2005年度の研究成果は以下である。 1)地域資源に関して建物の所有者や用途、築年数や今後の持続的活用に対しての意識調査を行い、保存、改修、改装、用途変更に関してその活用に向けたガイドライン(条例)作成を開始した。現在一部は完成しているが、2006年9月までに市議会の承認を受けることになっている。 2)中心市街地において半数以上の住宅を所有するケベレに関して、住宅供給の改善に向けて財務、技術、維持管理の面から実態調査を行う一方で住民へのアンケート調査から現在の住宅供給に関する問題点を抽出し、ケベレの組織としてのポテンシャルを明らかにした。その結果、ケベレが所有する住宅の維持管理に関する具体的な提案を進める基盤が整った。 3)中心市街地の公共空間に関して、用途や所有、階数や利用状況などを調査し、GISで各施設の分布や特性を分析することで中心部の公共空間の特性を解明した。その結果、公共空間の大半がイタリア占領当時に建設され、その多くが現在でも十分に機能していること、その83%が行政の所有であることが明らかになった。 この成果はゴンダール市都市計画マスタープラン改訂事業に活かされると同時に日本建築学会、日本ナイル・エチオピア学会にて発表された。
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Research Products
(3 results)