2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08090
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山崎 睦夫 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光音響波 / 熱傷診断 / 皮膚移植 / 圧電素子 / 新生血管 / ナノ秒レーザー |
Research Abstract |
受傷後早期の熱傷診断を定量的に行うため,光音響法により熱傷深度診断および移植皮膚生着度診断を行った。 熱傷診断では,ラット皮膚に浅2度熱傷,深2度熱傷,3度熱傷を作成し,これらと健常皮膚を対象に光音響計測を行い,照射光の波長最適化,熱傷層の断層像作製,信号深さの統計解析を行った。 熱傷深度診断の実験では光源に光パラメトリック共振器を用い,波長500〜650nm,パルスエネルギー100μJ/pulse,繰り返し周波数30Hzの条件で行った。また光音響波の検出にはリング状の圧電素子P(VdF/TrFE)フィルム(内径1.5mm,外径5.5mm,厚さ30μm,中心応答周波数26.8MHz)を使用し,FETアンプによって46dBに増幅後,オシロスコープで64波形の平均値を観測した。 その結果,熱傷深度に応じて光音響信号の深さが有意に変化することが確認された。また熱傷診断では波長532〜580nmが適していることが分った。熱傷層の断層像作製により,均一加熱においても熱傷深度に差異が生じることを確認した。 移植皮膚生着度診断では,ラット自家皮膚移植モデルを対象に術後経過時間と光音響信号深さの関係を調べた。 実験では光源にQ-switch Nd:YAGレーザーの第二高調波(波長532nm,パルスエネルギー200μJ/pulse,繰り返し10Hz)を使用し,熱傷深度診断の時と同様の検出器により光音響波を観測した。 その結果,術後6時間後より光音響信号の観測される深さが有意に変化した。確認のため,移植片をラットCD31抗体を用いて染色した所,移植6時間後からの染色が認められ,光音響法によって新生血管の形成が計測可能であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)