2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ領域拡散係数二次元分布測定法の開発と拡散能動制御物質の測定
Project/Area Number |
05J08103
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 泰之 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分子輸送 / ソーレー効果 / 液体内拡散 / レーザー計測技術 / 二次元分布 / 系統効果解析 / 拡散係数 / 熱物性 |
Research Abstract |
平成17年度は,物質拡散係数能動制御の定量評価に必要となる測定法として,拡散係数二次元分布測定法の理論面の検討と実験装置の構築を行い,質量流束制御デバイスとしてのソーレーラチェット分子ドライバーの開発を行った.具体的には以下に示す研究成果を得ている. ●拡散係数二次元分布測定法 1.拡散係数分布測定法の開発と系統効果(旧用語:系統誤差)の理論的検討を行い,1%以下の不確かさで拡散係数の測定が可能であることを立証した.(雑誌論文発表2件) 2.系統効果解析と実験パラメータの影響分析から実験条件の最適化手法を開発した.(学位論文) 3.能動制御デバイスの異方性拡散係数を測定することが可能な,拡散係数異方性分離解析法を開発した.(国際学会口頭発表1件,国内学会口頭発表1件) ●ソーレーラチェット分子ドライバー 1.ソーレーラチェット分子ドライバーの基礎理論を提案し,差動ヘテロダイン干渉計とフライングスポット加熱法を融合した実験装置を開発した. 2.微細マイクロチャネル中での濃度分布非接触形成の実験を行い,ソーレー効果を用いることでマイクロ空間での液相分子の能動制御が可能であることを実証した.(国内学会口頭発表1件) 以上の研究により,拡散係数の能動制御による液体回路デバイスの実現に必要となる微細領域拡散係数二次元分布測定法が開発され,またマイクロ領域での溶質分子の非接触輸送が可能であることが示された.この成果により拡散能動制御デバイスの実現が確実なものとなった.
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Research Products
(5 results)