2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08123
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
升田 博隆 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 子宮内膜 / 幹細胞 / Side Population(SP) / エストロゲン / プロゲステロン / 腎被膜 / 移植 / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
1、子宮内膜幹細胞の同定・分離 従来の他臓器幹細胞マーカーを用いた検索では、CD34は主に血管内皮細胞が陽性となり、CD133は主に上皮細胞が陽性になっており、CD177,Musashi-1等の結果からも子宮内膜幹細胞候補が組織上明らかな局在を示しているとは言いがたかった。 子宮内膜細胞のSP/MP解析では、間質細胞・腺細胞ともにSP分画の存在を明らかにし、その定義であるABCtransporterのblocker(recerpine)投与によるSP分画の消失も確認した。また、このSP細胞は月経を有する女性では年齢を問わず全月経周期を通して存在し、常に安定してSP細胞を分離する方法を確立した。EP剤使用症例でもSP分画は存在するが、GnRHアンタゴニスト使用症例の子宮では内膜細胞が少ないことから再現性を持つデータを取ることが難しかった。 2、子宮内膜SP細胞の幹細胞活性の確認 移植実験では、SP移植部位に腺上皮と間質からなる腺管構造を有した子宮内膜様組織の再構築が認められ、その組織では内膜固有の機能特性のひとつであるプロゲステロン受容体の発現が認められた。また、内膜様腺管構造をとらなかった検体の検索しより3種類の特徴的な免疫組織化学染色所見が得られ、Endothelia-vessel type, Endothelial-invasion type, Stromal typeと分類した。この3分類の出現率はSP移植群とMP移植群で差が出ており、検討中である。 SP細胞はどの臓器においても培養は困難であったが、SP細胞とMP細胞をそれぞれDiIとDiOで染色し共培養することでSP細胞のin vitroでの増殖を確認した。今後、増殖因子等を検討しSP細胞の単独培養を目指す。 3、SP細胞とMP細胞との遺伝子発現解析 DNAマイクロアレイを用いたSP細胞とMP細胞との発現遺伝子の比較(ANOVA-FDR解析)では、SP細胞で優位に発現が高かった遺伝子は72個存在し、そのうち56遺伝子の機能が判明しており、シグナル伝達系やトランスポーターにかかわる遺伝子が多かった。発現の強い上位からP-glycoprotein (MDR1), VEGFR II (KDR), PECAM-1, breast cancer resistance protein (BCRP), thrombomodulin, cadherin5と続き、比較的血管内皮に発現が高いものが多かった。
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Research Products
(5 results)