2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08133
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上田 真太郎 慶應義塾大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 認証 / 動画 / ストリーミング / セキュリティ |
Research Abstract |
本研究では動画像のストリーム転送における効率的な認証方式の実現を目的にしている。近年注目されているIP電話やネット会議などのストリーミングサービスでは未だ技術的にデータの改ざん、成りすまし、事後否認が可能である。またストリーミング転送ではTCPとは違って、再送を行わない信頼性の低いUDPが一般的に用いられるため、データ損失に対する耐性を持つ認証方式が必要となる。 本年度は実際に使用されている動画像圧縮符号化方式に特化したストリーム認証方式を提案した。本提案方式は用いる動画像圧縮符号化方式の規格を損なわないものにする必要があった。エンコーダでは動画データのみならず、その動画データを制御する制御データといった様々なデータが生成される。またこれらのデータは種類によって重要度が異なる。動画データは制御データなしにはデコードすることができない。したがって、制御データは重要度が高く、制御データを伝送路上で損失した場合、その制御データに依存する動画データをデコーダにおいて単独で受信し、認証できても意味を持たない。そこで、重要度の高い制御データにデータ損失に耐性を持たせる必要がある。ハッシュとディジタル署名を併用し、動画データと制御データ間に認証情報の関連性を持たせ、その制御データを保護する。制御データが損失しても復元することが可能であり、また、制御データに依存する動画データの認証も可能となるため、認証効率が向上する。 評価として、提案したストリーム認証方式と既存方式について、実効率(データ損失への耐性)、オーバヘッド(認証を行うための通信量の増加)において比較評価を行い本提案方式の有効性を確認した。また、エンコーダ、及びデコーダにおける時間的処理負荷(認証・復元を行うための時間の増加)を測定することにより、提案方式の性質を確認した。
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Research Products
(3 results)