2007 Fiscal Year Annual Research Report
絶対テンソル積を用いたゼータ関数達の零点の和に関する研究
Project/Area Number |
05J08135
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤塚 広隆 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 絶対テンソル積 / セルバーグゼータ関数 / オイラー積 |
Research Abstract |
本年度は、1)PSL(2,R)のココンパクトで捩れを持たない離散部分群に付随するセルバーグゼータ関数二つの絶対テンソル積(二重セルバーグゼータ関数)のオイラー積に関する研究(平野幹氏との共同研究)、2)マーラー測度の一般化についての研究を行った。 1)の研究は絶対テンソル積の理論全体の見通しを良くするため、また、セルバーグゼータ関数の零点、もしくはリーマン面のラプラシアンの固有値を調べる上で重要なものである。昨年度の研究の中で二重リーマンゼータ関数のオイラー積の計算に使った方法とCartier-Voros(1990)によるセルバーグゼータ関数の非自明零点に付随するテータ関数の理論とを組み合わせることにより、二重セルバーグゼータ関数のオイラー積、即ち、素双曲的共役類の組を走る無限積表示を形式的には得ることができた。しかしながら、昨年度に研究を行った二重リーマンゼータ関数の場合とは状況が異なり、得られたオイラー積は収束に関して微妙な問題を持っていることが判明した。この問題を克服するためには、二つの双曲的共役類のノルムの差について下から良い評価を与えることが望まれ、それは今後の課題である。 2)の研究に関して、マーラー測度は複素係数(多変数)多項式に対し定まる量であり、ゼータ関数の特殊値と密接な関係を持つことが知られている。適当なパラメータを入れた一般化を研究することは、この関係の理解を深める上で重要なもののである。本研究ではパラメータつきの一般化であるゼータマーラー測度を導入し、いくつかの型の多項式に対して、ゼータマーラー測度を超幾何関数で表すことに成功した。
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Research Products
(3 results)