2005 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴機能分子プローブ(MRIプローブ)の創製とイメージング応用
Project/Area Number |
05J08145
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
一二三 洋希 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MRI / 造影剤 / ガドリニウム錯体 / 縦緩和時間 / 緩和能 / イオン |
Research Abstract |
ガドリニウム錯体が溶液中で起こす立体構造変化が緩和時間短縮効果へどのような影響を及ぼすか、また、置換基の緩和時間短縮効果への影響を定量的に検討してきた。これまでの研究により、置換基に基質認識部位を導入することによって、基質認識部位が認識するゲスト分子の有無、またはその濃度によって、ガドリニウム錯体の立体的構造が大きく変化し、ガドリニウムイオンへの水分子の配位に大きな影響を与えることが分かった。ガドリニウム錯体は9配位目の配位子として水分子を配位させることができ、このときガドリニウムイオンと水分子の水素原子核との間に強い双極子-双極子相互作用が働き、その結果、水素原子核の縦緩和時間が短縮して強いMRI信号として現れる。この水分子のaccessibilityが変化するということは、MRI信号の元となる縦緩和時間の変化へと直結し、これによってゲスト分子の濃度をMRIによって測定可能であることが明らかになり、in vitroでの測定には成功した。具体的には、基質認識部位としてゲスト選択的な置換基を導入することによって(カルシウムイオン検出用としてBAPTA構造、カリウムイオン検出用として15クラウン5エーテル、マグネシウムイオン検出用としてβ-ジケトンを導入)、イオン選択的なガドリニウム錯体の創製に成功した。現在、これらの造影剤のin vivoでの応用を進めている。また、これらの結果から、この検出コンセプトを用いることによって、イオンに限らず、これまでMRIで検出することが不可能であった様々な生体内分子を可視化することが可能であることが示唆され、今後病態モデルへの応用を目指している。
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Research Products
(1 results)