2007 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴機能分子プローブ(MRIプローブ)の創製とイメージング応用
Project/Area Number |
05J08145
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
一二三 洋希 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MRI / 造影剤 / イオン / 粒子 |
Research Abstract |
本研究は、医療現場で汎用されているMRI(磁気画像診断)用の造影剤であるガドリニウム錯体に機能性を付与することで、造影剤周囲の環境情報をMR画像上へ表すことができる機能性MRI用造影剤の開発を目的とする。具体的には、ガドリニウム錯体の側鎖に、特定の生体内ゲスト分子を認識する基質認識部位を導入することにより、そのゲスト分子の濃度に依存してガドリニウム錯体の造影効果が変化することを狙っている。BAPTA構造を有するカルシウムイオン用(KMR-Ca)、β-diketone構造を有するマグネシウムイオン用(KMR-Mg)、15-crown-5 ether構造を有するカリウムイオン用(KMR-K)、boronic acid構造を有するグルコース用(KMR-Glu)の新規機能性MRI用造影剤(以下、MRIプローブ)の設計・合成に成功し、目的とするゲスト分子が溶液中に存在するときのみに選択的に縦緩和時間が変化すること、また、それに応じたコントラストのあるMRI画像を得ることができた。 また、癌へ特異的に集積する有機・無機ハイブリッド型のMRI造影剤を開発した。本造影剤は、リン酸ガドリニウム粒子がデキストランにより被覆されている構造をとっている。ラットを用いたin vivo試験により、高い生体適応性、長に血中半減期、薬物動態を確認した。次に、粒子サイズを50nm以下にコントロールすることによって、癌部位へ特異的に集積していくことを、担癌ウサギを用いたin vivo試験において確認した。
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Research Products
(2 results)