2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規デンドリマーを利用したヘテロ金属精密クラスターの創製
Project/Area Number |
05J08146
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高梨 健作 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | デンドリマー / クラスター / 精密金属集積 / 金 |
Research Abstract |
フェニルアゾメチンデンドリマーは分子内電子勾配を有するため、金属と段階的に錯形成する特性が明らかとなっており、金属の位置と個数を精密に制御して導入できる。本研究では、この精密金属集積能に従って、DPAと段階的錯形成を示す塩化金を還元する事によりクラスター化を行った。 金イオンは光や還元剤によって還元されクラスターとなる事が知られているので、この性質を利用して固相系でのDPA金錯体からのクラスター合成を行った。まず、紫外光照射による金錯体中の金イオンの還元を見るためにXPS測定を行うと、紫外光照射前後で86.1eVから84.1eVへとシフトし、3価から0価への還元を確認できた。さらに、DPAに14個の塩化金を入れた錯体について還元前後の状態について透過型電子顕微鏡による直接観察を行うと、還元前後で観測される粒子サイズの減少がみられ、錯体からクラスターへの変化を観測した。還元後の粒子径は1.0±0.2nmとなっており、微小で単分散のクラスターが生成している事を確認できた。DPAに導入する金属数を増やした場合も検討を行い粒子径の増加を確認した。 DPAに導入する金属として、貴金属化合物がDPAに集積できる事をUV-visスペクトルより確認した。合せてFeのような従来明らかとなっている金属種との混合錯形成についても検討し集積可能である事を見出した。今後、さらなる金属種の拡張、金属同士の組み合わせ、還元法の検討を行っていく。 DPAの合成法についても検討し、ダイバージェント法によるDPAの合成を行った。従来のコンバージェント法によるDPAの合成とあわせ、研究に必須であるDPAの高速な合成法を確立すると共に、従来合成が困難であった末端置換型やコアシェル型のDPAの合成を可能とした。
|
Research Products
(1 results)