2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08147
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 大介 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 機能性高分子微粒子 / N-イソプロピルアクリルアミド / コロイド / 界面 / 高分子科学 / 時空間制御 / ゲル / 自励振動 |
Research Abstract |
自ら一定リズムを示して体積変化をするゲル微粒子(自励振動ゲル微粒子)の創製を試みた。周期的に金属触媒が酸化還元振動するBZ反応の金属触媒(Ru(bpy)_3錯体)を、ゲル微粒子の自律駆動源としてゲル微粒子内部に固定化し、その錯体の酸化還元振動と同期したゲル微粒子の膨潤収縮振動を生起させることに成功した。このゲル微粒子の機能は、.従来研究されてきた温度・pH・光などの外部刺激に応答するゲル微粒子とは一線を画すものであると考えられる。このゲル微粒子が示す"自励振動"をより詳しく検討するために、微粒子合成時に与えるRu(bpy)_3錯体モノマー・架橋剤の影響を調べた。錯体モノマー量を増やすことで、微粒子合成時初期の粒子核の安定化が促され、得られる粒子径が小さくなることが分かった(最小粒子径〜200nm)。また、架橋密度の上昇は、粒子径分布を狭める効果があった。得られた一連の微粒子を用いて、自励振動に与える影響を調べたところ、Ru錯体固定量の増加は、大きな体積変化の生起につながり、また、架橋密度の増加は、振動リズムの変化につながることが分かった。結果的に、架橋密度を上昇させることは、振動周期の短縮につながった。このようなゲル微粒子は、自律的に体積振動するだけでなく、分散凝集を行き来する振動も発現した。これら自ら体積振動や分散凝集振動する新規ゲル微粒子は、新規マイクロポンプ、薬剤放出デバイスなどへの応用が期待させる。
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