2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08151
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺川 光洋 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遺伝子治療 / ドラッグデリバリー / レーザー誘起応力波 / 増殖因子 / HGF / ナノ秒レーザー / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
レーザー誘起音響波による遺伝子導入の高効率化を目的とし,レーザー照射条件,加熱条件の最適化を行なった。実験ではナノ秒パルスレーザ(532nm)を固体吸収材料に照射して発生させた応力波を用いて,マウスNIH 3T3細胞への遺伝子導入を行った.導入効率の実験条件依存性を調べたところ,本研究のパラメータ範囲ではレーザフルエンス1.3J/cm^2,パルス数20ショットにおいて最も高い導入効率を示した.さらに異なる種類の細胞においても遺伝子発現が得られ,本遺伝子導入法が汎用性を持つことを示した.また,遺伝子導入実験において精密な温度調整が可能な実験装置を構築し,細胞周辺温度が遺伝子導入効率に与える影響を調べた.その結果,41℃から45℃において顕著な遺伝子導入効率の増大が認められた.細胞膜の流動性が本遺伝子導入メカニズムに関係していることが示唆された. また上記研究により明らかになった実験最適条件を基に,本遺伝子導入法を用いて治療用遺伝子の導入を行った.治療効果が期待される遺伝子として肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor, HGF)発現遺伝子ベクターをラット皮膚を対象に導入した.HGFは様々な生物活性を持つ因子であり,特に強力な血管新生作用を持つことが知られている.本実験では,皮内HGF濃度の条件依存性の検討を行うとともに,照射後の遺伝子発現の経時変化について調べた.皮内HGF濃度を計測したところ,レーザー誘起音響波適用群が非適用群と比較して4倍以上高い値を示すことがわかった.
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Research Products
(3 results)