2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08151
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺川 光洋 慶應義塾大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遺伝子治療 / 組織工学 / ドラッグデリバリー / レーザー誘起応力波 / 増殖因子 / HGF / 遺伝子導入 / ナノ秒パルスレーザー |
Research Abstract |
レーザー誘起音響波(Laser-induced stress waves, LISW)による遺伝子導入技術の確立を目的とし,治療用遺伝子の導入実験を行なった.治療効果が期待される遺伝子として肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor, HGF)発現遺伝子ベクターをラット皮膚に導入した.HGFは様々な生物活性を持つ因子であり,特に強力な血管新生作用を持つことが知られている. まず,皮内HGF濃度に基づいた実験条件依存性の検討から,遺伝子導入に適当と考えられるレーザ照射条件を明らかにした.次に,ラット自家皮膚移植モデルを対象に実験を行った.ラット背部から皮膚および皮下組織を採取後,皮下脂肪を除去して移植片とした.移植片の裏側から皮内にHGF発現プラスミドベクターを注入し,同部位にレーザーターゲットを配置し,波長532nmのナノ秒パルスレーザーを照射して応力波を発生させた.応力波適用後の移植片を同採取部位に貼付し縫合して自家皮膚移植した.移植3日後に移植皮膚をバイオプシーして抗CD31抗体による免疫染色を行い,新生血管の生成を組織学的に評価した.LISWを用いてHGF発現プラスミドベクターを導入した移植片では,多くのCD31陽性細胞が得られ,直径5マイクロメートルから20マイクロメートル程度の新生血管が比較的浅い領域においても観察された.この結果は,本技術により高生着移植皮膚が作製できる可能性を示唆している.
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Research Products
(3 results)