2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08153
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
原 央子 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経細胞 / シナプス形成 / シナプス再生 / GFP / 生細胞イメージング技術 / 発光 |
Research Abstract |
神経細胞のシナプス形成・再生の過程を研究するために、本研究では3つの側面から研究を行っている。研究実績の概要を以下に述べる。 (1)神経細胞への新規遺伝子導入法確立 まず、レーザを用いて遺伝子導入を試みた。これは、レーザの焦点を細胞膜に絞り、細胞膜の一部分に小さい穴を開け、その穴から遺伝子が導入される方法である。狙った細胞に遺伝子導入できるのが利点。しかし、遺伝子導入は可能だが効率が悪い、とわかった。 そこで、導入効率の向上を目指し、針による方法を行った。AFMに使われるカンチレバーを針として用いる遺伝子導入方法である。まず、針によるダメージを調べたところ、HeLa細胞の生存率は96%だった。神経細胞の生存率は64%だった。この条件では、神経細胞は約半数が生存できない。そこで、針を改良したところ、神経細胞の生存率は94%と向上した。 現在、この微小針を用いた遺伝子導入法で、HeLa細胞への導入効率は95%。これは、以前に報告されているYAGレーザを用いた方法(導入効率;10.2%)や、ガラスピペットを用いた方法(導入効率は実験者の技量による)と比較して、安定して高効率である。今回、この新規遺伝子導入法を確立したことは実績のひとつであり、これは様々な細胞生物学の研究に利用できる。本研究では、この技術を用いて、隣接する神経細胞に異なる遺伝子を自在に導入し、プレとポストのシナプスを可視化してく。 (2)インディケータ開発 現在までに、神経細胞の電気信号を検知するインディケータを作製した。今回、インディケータの改良を行い数種のコンストラクトを得た。これらの中から本研究に適したコンストラクトを決定する。 (3)イメージング 現在までに行った、ハード面の改良により微弱なシグナル取得が可能になっている。新規遺伝子導入法と作製したインディケータを用いて、神経細胞同士の伝達が確認できた。
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