2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08153
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
原 央子 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経細胞 / シナプス形成 / シナプス再生 / GFP / 生細胞イメージング技術 / 発光 |
Research Abstract |
本研究の目的は、神経細胞のシナプス形成過程や再生過程において、シナプス関連分子の挙動を、生細胞イメージング技術を用いて明らかにし、神経細胞の成熟過程を調べることである。同時に、蛍光タンパク質GFPの新たな利用方法を確立して、脳神経研究、再生医療への貢献を目指している。 従来、神経細胞丸ごとの結合が注目されがちであるが、本研究では、ひとつの細胞ではなくひとつのシナプスに注目して研究を行っている。シナプスひとつの太さは1マイクロメートル前後とたいへん微少である。そのため、微少部分を明らかにできる、より高度な生細胞イメージング技術が要求される。 イメージング技術は、顕微鏡などの観察装置と、蛍光タンパク質などのタグやインディケータなどのプローブに分けられる。今回、その両面からシナプス観察のための技術改良を行った。 装置面の改良としては、従来の顕微鏡の観察光学系にレンズを付加し、高感度カメラを用いてイメージングを行う改良をし、微弱なシグナル取得を可能にした。 蛍光タンパク質をタグとして目的分子の挙動をイメージングしてきたところ、本研究を遂行していく過程で、蛍光タンパク質の励起光がシナプス形成や再生を阻害している可能性が考えられた。そのため、発光タンパク質を用いてインディケータを作成し、「励起光がいらない、生細胞イメージング」に成功している。この発光インディケータは、蛍光タンパク質GFPが必要な構成である。これが、今回行った神経細胞イメージングのための、プローブ面の改善である。 今後、このイメージング技術でシナプス形成過程や再生過程を明らかにしていく。
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