2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患に対するHumaninの治療効果の検討
Project/Area Number |
05J08155
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山田 真吏奈 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経変性疾患 / アルツハイマー病 / ヒューマニン(Humanin) / コリベリン(Colivelin) / ADNF / βアミロイド / 神経細胞死 |
Research Abstract |
神経変性疾患(アルツハイマー病[ア病]、プリオン病、前頭葉側頭型痴呆)に対する治療薬の開発を本研究の目的として、ヒューマニン(HN)およびその誘導体の治療効果、投与経路の検討を行っている。 昨年度は、HN誘導体で最も効果の強いColivelinの開発とin vitro、in vivoにおけるその治療効果の検討を行った。 本年度は、まず初めにColivelinの投与方法の検討を行った。昨年度の研究の結果、Colivelinは脳室内投与、腹腔内投与によって、ア病関連因子の誘導する記憶障害に拮抗作用を持つことが解っている。Coiivelinをア病治療薬として臨床応用する場合、より低侵襲な投与方法が必要となる。投与方法の候補として私達は鼻腔内投与に着目した。鼻腔内投与では、嗅神経と三叉神経を介して中枢神経系に作用することが報告されている。Aβ反復投与モデルに対して脳室内投与を行ったところ、Aβによる記憶障害を1日1nmol投与、計10回投与で効果を示した。 さらに、ムスカリン型アセチルコリン受容体阻害剤の一つである3-quinuclidinyl benzilate (3-QNB)による記憶障害モデルに対してColivelinを鼻腔内投与したところ、記憶障害を統計学的有意に改善した。 次に老人斑形成モデル、Tg2576に対するHN誘導体、Colivelinの鼻腔内投与による効果の検討を行った。14ヶ月のTg2576に対して2日に1回、3週間に渡りCoiivelinを鼻腔内投与し、その効果を行動学的および形態学的に検討した。その結果、行動学的、形態学的に改善効果が得られた。 今後、他の神経変成疾患に対する治療効果を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)