2005 Fiscal Year Annual Research Report
老化促進機構における活性酸素の役割の解明と老化予防への応用
Project/Area Number |
05J08224
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
古川 絢子 三重大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 酸化ストレス / 老化促進 / 活性酸素 / プロテオミクス / カルボニル化タンパク / 老化促進モデルマウス / 老化予防 / 抗酸化剤 |
Research Abstract |
酸化ストレスが老化の促進に重要な役割を果たしていることから、酸化ストレスによる老化の特異的バイオマーカーの決定と、老化促進機構の解明は、老化予防法を確立する上で極めて重要である。本年度は、老化の特異的マーカーを決定する事を目的として、高酸化ストレス状態にある老化促進モデルマウス(SAM)を用いた発現プロテオミクス解析を行った。またタンパク質の酸化的損傷であるカルボニル化に注目し、二次元電気泳動と免疫染色法を組み合わせた機能プロテオミクス解析によりカルボニル化タンパク質を検出した。老年期脳機能障害を示すSAMP8とコントロールマウスSAMR1の海馬からタンパク質を抽出後、蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動(2D-DIGE)法にて発現プロテオミクス解析を行った。その結果、約900個のタンパク質スポットを検出し、SAMR1に比べてSAMP8で発現が有意に増加したスポット2個、有意に減少したスポット3個を確認した。さらにSAMP8とは異なる機序で脳機能障害を示す系統SAMP10とSAMR1を用いた比較においても、2つのタンパク質がSAMP8と同様の発現変化を示した。また、カルボニル化タンパク質について個々のタンパクスポットを解析した結果、約70個のカルボニル化タンパク質を検出し、SAMR1に比べてSAMP8で2倍以上の差があるスポットが12個あった。以上の結果からSAMP系とSAMR1に発現差があるタンパク質が確認され、SAMP8とSAMP10で共通の変動を示すタンパク質については、酸化ストレスによる老化のバイオマーカーとして利用できる可能性がある。また、SAMP8でカルボニル化タンパク質が検出されたことから、これらのタンパク質の機能を明らかにすることが老化促進機構の解明につながると考えられる。
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Research Products
(1 results)