2005 Fiscal Year Annual Research Report
各種透水・脱水工法によるコンクリートの品質向上に関する定量評価とメカニズムの解明
Project/Area Number |
05J08229
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
坂本 英輔 三重大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 真空脱水処理 / 加圧脱水処理 / 圧密理論 / 圧縮強度分布 / 実大コンクリート床スラブ / 間隙水圧分布 / メニスカス / 毛管現象 |
Research Abstract |
本研究の目的は,透水・脱水によるコンクリート内部の物理性質の変化およびそのメカニズムについて圧密理論を用いて定量化することによって,各種透水・脱水処理を行ったコンクリートの品質推定手法を確立および新たな工法の提案することである。研究初年度である本年度は,真空脱水処理に関する検討を中心に行った。以下に得られた知見を列挙する。 1、フレッシュコンクリートにおける圧密挙動の定量化のための圧密試験装置の作製 これまで使用してきた圧密試験装置の試作品には,1)直接載荷であるため大載荷力が得られない,2)間隙水圧の測定が不可能である等の問題があった。そこで,それらの問題点を改良した新たな試験装置を設計・試作した。 2、真空脱水処理による実大コンクリート床スラブおよび実験室試験体の品質評価の比較 真空脱水処理によるコンクリート床スラブの実大施工実験および実験室実験を行い,その品質改善効果を把握するため,表面性状および圧縮強度を測定した。脱水口近傍での品質改善効果に関して,実験室実験で得られる効果は実施工の特性を概ね再現できていると判断できることが明らかとなった。 3、真空脱水処理時のコンクリート内部における間隙水圧分布発生メカニズムの解明 これまでに,真空脱水処理時のコンクリート内部の間隙水圧の測定結果から,上層ほど間隙水圧が減圧される傾向があることを明らかにし,真空脱水処理に対しては圧密圧力を変化させて圧密理論を適用できることを示した。しかし,間隙水圧分布の発生メカニズムは不明であった。そこで,コンクリート内部に形成されるメニスカスに着目し,真空脱水処理時の間隙水圧分布の発生メカニズムについて検討した。その結果,真空脱水処理時の間隙水圧分布発生メカニズムの主要因の一つとして,メニスカスの影響が考えられることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)