2006 Fiscal Year Annual Research Report
炭化水素分解によるカーボンナノファイバーの合成とその応用
Project/Area Number |
05J08300
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荻原 仁志 北海道大学, 触媒化学研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | テンプレート / 金属酸化物ナノチューブ / 構造体触媒 / カーボンナノチューブ / カーボンナノファイバー / 複合金属酸化物ナノチューブ |
Research Abstract |
金属酸化物ナノチューブはナノスケール材料の一つであり,主にテンプレート法により合成されている.しかしテンプレート法には,(1)テンプレートの形状に多様性が乏しいため,生成する金属酸化物ナノチューブの形状が限定的になる,(2)複合金属酸化物でテンプレートを被覆することが困難であるため単一金属酸化物ナノチューブの合成が主となっている,などの問題点がある.我々はナノスケールで形状の制御が可能であるカーボンナノファイバー(CNF)に注目し,これをテンプレートに用いて金属酸化物ナノチューブ合成を行った.その結果,螺旋状ナノチューブ合成,内径を制御したナノチューブ合成が可能であることを見出した.また金属硝酸塩,金属アルコキシドといった金属酸化物前駆体をCNF表面のみに選択的に集積させる手法を見出し,従来困難であった複合金属酸化物ナノチューブの合成に成功した. 圧力損失が低く取り扱いが容易であることから,新規な触媒担体としてマクロ構造体が注目を集めており,マクロ構造体表面の高機能化が課題となっている.そこで機能性材料である金属酸化物ナノチューブのマクロ構造体上への固定化を検討した.マクロ構造体上に成長させたCNFをテンプレートに用いて金属酸化物ナノチューブ合成を行ったところ,マクロ構造体は大量の金属酸化物ナノチューブで均一に被覆され,新規なナノ・マクロ構造体を形成していることが明らかとなった.さらにこれらを触媒反応に供したところ,従来の粉末触媒よりも高い活性を示すことがわかった.すなわち調製したナノ・マクロ構造体はマクロスケールでの形状の特性のみならず,ナノチューブ化による触媒活性の向上も見込まれることが示唆された.
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Research Products
(4 results)