2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08330
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
五十棲 洋一 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ソリトン / 超対称性 / ゲージ理論 / ヒッグス相 / モジュライ空間 / BPS方程式 / 位相欠陥 / 場の理論 |
Research Abstract |
本年度は,私は自分の研究課題である「超対称ゲージ理論のビッグス相におけるソリトン」において得られた様々な結果を,共同研究においてレビュー論文に体系的にまとめ,ビッグス相中のソリトン解及びそのモジュライ空間の系統的構成法を説明した.そしてモジュライ空間の構造決定の際「モジュライ行列」という手法が非常に重要な役割を果たすことを説明した.論文で扱う理論は主に基本表現に属するヒッグススカラー場を持つ時空次元D=5+1,4+1,3+1,2+1,1+1のゲージ理論である.この理論は8個の超対称性を持つ理論に拡張可能で,Bogomol'nyi-Prasad-Sommerfield(BPS)ソリトンという静的かっ安定な一連の解を有する.ヒッグス相の基本的なソリトンは112BPS状態としてのドメインウォールとボーテックスであるが,他のソリトン(ヒッチンボーテックス,モノポール,インスタントン)は混合系となり1/4BPS状態を形成すことを説明した.(すなわち,ドメインウォールのウェッブ,モノポール・ボーテックス・ウォールそしてインスタントン・ボーテックスの系となる)アーベリアンと非アーベリアン・ゲージ理論には特徴的な違いがあり,前者の理論の混合系には負のエネルギーを持つソリトンのみが存在出来るが,後者には正負どちらのエネルギーを持つソリトンも存在出来ることも明らかにした.各ソリトン系において,ソリトン解の定性的性質は,モジュライ行列の性質を詳細に調べることによって抽出可能であることを説明した.また,ドメインウォールとボーテックス上の有効理論の構成も行い,さらに導出したモジュライ空間同士が互いに密接に関連していることも見た.
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Research Products
(2 results)