2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08330
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
五十棲 洋一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ソリトン |
Research Abstract |
私は共同研究において超対称ゲージ理論のヒッグス相におけるソリトンについて調べている。ここで、超対称ゲージ理論とは、超対象性とゲージ対象性という二つの特殊な対称性を有した理論であり、現存する相互作用を統一的に記述する超弦理論の有効理論である。そしてソリトンとは粒子のように振舞う波動のことを言うが、ここでは特に位相的ソリトンのことを指す。現在までに到り、クーロン相(ゲージ対称性が破れていない相)におけるソリトン解及びモジュライ空間(ソリトン解に現れるパラメーターの空間)は、すでに詳しく調べられていたが、ヒッグス相(ゲージ対称性が破れている相)でのそれら手付かずのものが多かった。ヒッグス相には、インスタントン(現れて消えるソリトン)、モノポール(点状のソリトン)、ドメインウォール(壁状のソリトン)、ボーテックス(糸状のソリトン)及びその混合系等が存在する。私は今年度の研究において、ドメインウォールのモジュライ空間の構造は理論の真空の構造と密接に関連していることを明らかにした。さらに、数枚のドメインウォールが角度をもって衝突したときに出来るドメインウォール・ジャンクション系を解析し、そのジャンクション点に正、負そしてゼロの電荷が現れることをつきとめ、ジャンクションの構成ルールの確立し、そのモジュライ空間が複素グラスマン多様体であることを明らかにした。一連の研究は我々が確立したモジュライ行列という方法が非常に役割を果たしている。
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Research Products
(5 results)