2005 Fiscal Year Annual Research Report
準実スケール屋外模型都市実験による都市-大気圏間のエネルギー交換過程の解明
Project/Area Number |
05J08354
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 徹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 屋外模型都市実験 / 3次元都市キャノピーモデル / バルク輸送係数 / 粗度 / 熱収支 / 都市気象 |
Research Abstract |
インフラ等の大きな粗度要素を有する都市では、凸凹に起因する各種物理過程が複雑で重要な影響を上空大気へ及ぼしている。気象モデルにおける都市の底面境界条件には、従来、建物を空気力学的な粗度として扱う平板が仮定されてきたが、地表面パラメーターの設定のみから幾何構造に起因する物理過程を包括的に評価することは難しい。このため、都市インフラを陽的に取り扱い、都市-大気圏間のエネルギー交換を定量的・定性的に評価する方法論の構築が不可欠である。本研究では 1)都市の3次元性を考慮したエネルギーバランスモデル(SUMM)の構築、 2)準実スケール屋外模型都市実験 を行っている。本年度は、1)SUMMでは対応幾何構造の拡張(整列・格子配列)、及び室内気温の予測ルーチンを加えた。これにより、上空気象条件のみを用いて都市構成面別のエネルギーバランスを詳細に予測することが可能となった。一方、SUMMではモデルに適用する地表面パラメーターに検討の余地を残す。特に顕熱輸送に対する空気力学的地表面パラメーター(熱粗度・バルク輸送係数)は、構成面別の熱収支・表面温度、気温・風速のシステマッティックな測定が現地観測・風洞実験等の従来手法では極めて困難なことから重要な未知要素となっている。これらに対しては、2)均質な領域を持つ準実スケール屋外模型都市実験を作成し、上記項目に対する詳細な観測システムの構築、及び測定結果の検討を行った。得られた実験式をSUMMへ適用し、観測結果と比較、検証を行った結果、非常に良い検証結果が得られた。
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Research Products
(1 results)