2006 Fiscal Year Annual Research Report
陽子非弾性散乱を用いた^<14>Be核における魔法数の破れに関する研究
Project/Area Number |
05J08371
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 洋介 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 不安定核 / 中性子過剰核 / 非弾性散乱 / 魔法数 |
Research Abstract |
初年度目に引き続き、中性子ドリップライン^<14>Be核の陽子非弾性散乱実験のデータ解析を進めた。観測された第一2^+準位の非弾性散乱の散乱角度分布をDWBA解析することにより変形長を求めたところ1.40(19)fmという値が得られた。この値は過去に炭素標的を用いて得られた変形長の値1.18(13)fmと同様に、^<12>Beに比べて小さな値であることがわかった。さらに陽子標的を用いて得られた値と、炭素標的を用いて得られた値を組み合わせて^<14>Be核中での陽子・中性子側の変形を推定したところ、^<14>Beでは^<10>Beに比べて陽子側の変形が小さく、中性子側の変形は^<12>Beと同程度に大きいことがわかった。得られた結果を殻模型計算と比較したところ、通常使用されている有効電荷の値を用いた場合には^<14>Beの陽子側の変形を再現することができず、有効電荷の減少を示唆する結果であることがわかった。また実験データに含まれている^<14>Beの一中性子ノックアウト過程の反応チャンネルについても解析を行い、非束縛核^<13>Beの分光を行った。その結果、これまで知られていなかった13Beの基底状態1/2^-準位を中性子崩壊の閾値より0.45MeV上に観測した。この1/2^-準位が低いエネルギーに観測されたことは、安定核領域で存在していたsd軌道とp軌道のエネルギーギャップが^<13>Beにおいては無くなった事を示しており、^<12>Beにおける魔法数の消失の原因と考えられる殻構造の変化がより中性子過剰な領域でも確認された。以上の結果は3月末に首都大学東京南大沢キャンパスで行われた日本物理学会春季大会において成果発表を行った。
|
Research Products
(4 results)