2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08377
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 理江 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ガンマ線 / バースト |
Research Abstract |
ガンマ線バースト(GRB)は発見から30年経った今でも、多くの謎に包まれた現象である。GIBには"残光"と呼ばれる現象をともなうことが知られている。しかしながら、これまでの観測では、この残光をガンマ線放射の直後から開始することが困難であり、限られた情報の中での研究にとどまっていた。 2004年10月に打ち上げられたSwift衛星によって、X線残光を約100秒後から観測することが可能となり、シェル状放射源の幾何学形状に由来すると考えられる葱激な減光や、それに引き続いて観測される緩やかな減光、さらに、短時間に急激に明るくなるX線フレアなどの新しい現象が明らかになった。本研究では、2005年1月から2006年9月末までのSwiftデータをもちいて、ガンマ線放射と、その早期X線残光について系統的な解析を行った。 X線フレアからの解析からは、個々のX線フレアとガンマ線放射パルスとの間に多くの共通点があることが明らかになった。また、観測時間スケールに対して、X線フレアの時間スケールが非常に小さいことから、この現象を"残光モデル"で説明することが難しい、ということを示した。さらに、X線フレアの立下り部分が、曲面状の相対論的シェルからの放射によって期待されるような、べき関数に従うことが分かった。このべき関数の時間原点を見積もると、X線フレアの立ち上がりからピーク付近の時間帯に相当する。これらの結果から、X線フレアは「遅い時間にGRBと同じ放射機構で発生する現象」ということが分かった。また、緩やかな減光の継続時間と、GRB放射エネルギーとの間には、逆相関の関係があることを発見した。本研究では、この観測結果と緩やかな減光を説明する理論モデルを比較し、そのモデルに対して制限を付けることに成功した。これらの結果を、博士論文にまとめた。
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Research Products
(4 results)