2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08387
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉山 淳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ハドロン物理 |
Research Abstract |
今までに発見されていなかったqqqqqで構成されているようなエキゾティックバリオンであるΘ^+(S=1のバリオン)がSPring-8で見つかった。それを受けてペンタクォークのスピンが1/2であると考えて解析してきたが、さらにスピンが3/2である可能性について解析した。スピン3/2の状態はクォークモデルでΘ^+の幅の狭さが説明できる可能性を示唆されているので、QCDの観点からその状態の存在が支持されるのかということを調べた。 スピン3/2のΘ^+について2通りのダイクォーク型の導入場、スカラー+ベクトル型、擬スカラー+ベクトル型で解析をしたがそれぞれ違う結果をもたらした。どちらが正しいかを確認する方法として、スペクトル関数が正定値であることを利用してOPEの収束性を判断する方法を提案した。その結果スカラー+ベクトル型の導入場でのみQCD和則が両方のパリティで1.5GeV付近に存在するという可能性を示唆した。 また、Θ^+はフレーバー10表現に属していると考えられその中にはΘ^+以外にも3つのクォークで構成不可能なバリオンΞ^<-->が存在するので、それについてもQCD和則をもちいて解析した。その結果OPEの収束性も吟味して考察すると、各々のパリティで低エネルギーでのスピン3/2のΞ^<-->の存在の可能性を確認できなかった。 さらに2つや3つのクォークで構成することが出来ないわけではないが、a_0のようなスカラーメソンやΛ(1405)のように4つもしくは5つのクォークで構成されているのではないかといわれるハドロンについてもQCD和則を用いて解析していて、こちらは現在進行中である。
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