2006 Fiscal Year Annual Research Report
MBE法によるGaAs上1.5μm帯InAs/GaInAsSb量子ドットレーザ
Project/Area Number |
05J08424
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松浦 哲也 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アンチモン / サーファクタント効果 / 量子ドット / InAs / 分子ビーム成長法 / 偏波無依存 / 長波長化 / 面発光レーザ |
Research Abstract |
次世代光通信のキーデバイスとして面発光レーザ(VCSEL)が期待されている.実用的な特性の実現には,GaAs基板上における1.5μm帯の長波長帯発振が必要であり,新たな材料とその形成技術の確立が必要である.活性層にInAs量子ドットを用い,GaInAsをドットのカバー層に用いた構造は長波長帯材料の候補だが,GaAs基板に対し高歪化することによる発光効率の劣化が課題であった.一方,結晶成長表面に作用するサーファクタントにアンチモン(Sb)を用いた高歪結晶の形成が検討され,GaIAsSb量子井戸において低しきい値レーザが報告されている.そこで,本研究では『Sbを導入したGaAs基板上長波長帯材料による量子ドットレーザの実現』を目標とし,研究を遂行している. 昨年度までにGaAs基板上に成長可能な長波長帯材料としてInAs/GaInAsSb系自己形成量子ドット(QD)を提案し,室温PLにおいて1.5μm帯までの長波長化と発光効率の向上を達成している.AFM観察とその粒子解析の結果,歪カバー層による高さの増大と幅の収縮かつ平均体積の増加が観測され,カバ-層へのIn添加に較べ,Sb添加の場合にはサイズ揺らぎを抑える方向が顕著であることを見出した. 本年度は,種々の特徴量をもとにSb導入によるQDの形成過程とその偏光特性への影響について検討した.具体的にはカバー層へのSbの導入により,結晶品質を損なうことなく長波長面発光型受動デバイスの偏波無依存化が期待でき,さらにInを加えることで偏光度差の面方位依存性を最小に出来ることがわかった.本手法が進行波型デバイスの偏波無依存化への応用にも有効であることを示した. カバー層の最適成長条件について詳細に検討を進め,GaInAsSb高歪薄膜を低速度で形成することの重要性を示し,実際に端面出射レーザ構造において1.4μm帯電流注入動作を確認した.
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Research Products
(3 results)