2005 Fiscal Year Annual Research Report
IV族微結晶材料の禁制帯幅制御と薄膜太陽電池への応用に関する研究
Project/Area Number |
05J08428
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮島 晋介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手
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Keywords | 太陽電池 / ワイドギャップ材料 |
Research Abstract |
ワイドギャップIV族微結晶(微結晶3C-SiC:Hおよび微結晶SiC:Ge:H)のバンドギャップ制御およびこれを用いた太陽電池デバイス作製に必要な基礎技術の開発に取り組んだ。 バンドギャップ制御に関しては、ホットワイヤーCVD法を用いた微結晶SiC:Ge:Hの作製に取り組んだ。従来から使用しているジメチルゲルマンに加え、モノメチルゲルマンを用いたGe添加を試みた。初めに、モノメチルゲルマンとジメチルゲルマンの分解効率を検討したところ、モノメチルゲルマンの分解効率がジメチルゲルマンより高いことが明らかになった。しかしながら、モノメチルゲルマンを用いて作製した微結晶SiC:Ge:Hを評価した結果、ジメチルゲルマンを用いて作製したものと比較して大きな違いは認められなかった。作製を目指す微結晶SiC:Ge:H結晶はGe-C結合を含むが、モノメチルゲルマン、ジメチルゲルマンともにGe-CH3結合を含んでいる。このため、膜中のGe濃度を増やすためにはGe-C-Geのような形の結合を含む原料を用いる必要があると考えられる。 また、デバイス作製基礎技術の開発としては、微結晶3C-SiC:Hのドーピング技術(特にp形薄膜の作製)に重点をおいて研究を行った。微結晶3C-SiC:Hの作製時に、Al源であるトリメチルアルミニウムもしくはジメチルアルミニウムハイドライドを添加することにより、p形膜の作製を試みた。トリメチルアルミニウムを用いた実験の結果、基板温度280℃で膜を堆積した場合は、膜の導電率が10^<-6>S/cm程度と低いことが明らかになった。これはドーパントが水素により不活性化されたためである。水素による不活性化は、基板温度350℃で製膜することにより抑制でき、10^<-3>S/cm程度の導電率が得られることを見出した。 さらに、デバイスのプロトタイプとしてp, iおよびnの全ての層が微結晶3C-SiC:HからなるP-I-Nダイオードの作製を行った。作製したダイオードは整流性および光電特性を示したが、量子効率スペクトルを解析した結果、i層中の欠陥密度が10^<18>cm^<-3>程度と高いことが明らかになった。今後、この材料系を実用化するためには、更なる欠陥密度の低減が必要である。
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Research Products
(2 results)