2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機EL材料を目指した、発光特性を有するパイ共役高分子錯体の合成および物性評価
Project/Area Number |
05J08455
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯島 孝幸 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アルミニウム錯体 / パイ共役高分子 / 8-キノリノール / 紫外可視吸収スペクトル / 蛍光スペクトル / 粉末X線回折 / Sonogashira反応 |
Research Abstract |
これまでに合成例のないキノリノール骨格を主鎖に有する新規π共役系高分子の合成を行った。合成はパラジウム錯体-ヨウ化銅を触媒として用いるSonogashira法を用いて行った。ジブロモキノリノール分子は、tert-ブチルジメチルシリル基により保護したものをモノマーとして用いた。ジブロモキノリノールモノマーとして、結合位置の異なる3種類のモノマーを合成し、それぞれについて高分子の合成を行った。 可溶性ユニットとして、以下の3種類、すなわち長鎖のアルコキシ基であるジドデシロキシベンゼンユニット、枝分かれのアルコキシ基であるビス(2-エチルヘキシロキシ)ベンゼンユニット、側鎖がπ共役面から垂直にせり出している9,9-ジオクチルフルオレンユニットをそれぞれコモノマーとして用いて、共重合体の合成を行った。高分子の同定は^1H NMRおよびIRにより行い、そのユニット構造を保持したまま重合が進行したことを確認した。得られた高分子の溶解度は比較的高く、一般の有機溶媒に可溶もしくは一部可溶であった。得られたポリマーの溶液状態での光学的特性を検討した結果、重合を行うことでユニット間のπ共役長の拡大から、その吸収波長は長波長にシフトした。固体状態での光学的特性を検討した結果、直鎖アルコキシ鎖を有するポリマーでは溶液状態と比較して極大発光波長の長波長シフトが観測された。これは、高分子鎖間でのπ-π相互作用が起こっている可能性が示唆される。 粉末X線測定を行なった結果、直鎖アルコキシ基の導入により結晶性の向上が見られ、アルコキシ鎖の鎖間距離に由来すると思われるピークが低角側に観測された。一方、枝分かれした側鎖を有する高分子、およびジアルキルフルオレンを有する高分子では、鋭いピークは観測されず、アモルファス性が高いことがわかった。
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Research Products
(1 results)