2005 Fiscal Year Annual Research Report
水熱合成法による圧電性多結晶膜の成膜と超音波トランスデューサへの応用
Project/Area Number |
05J08460
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石河 睦生 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超音波デバイス / 圧電性結晶 / 高周波 / 広帯域 / 成膜プロセス / 音響化学反応 |
Research Abstract |
本研究は、水熱合成法を利用して成膜したチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)多結晶膜の圧電縦効果による厚み振動の特性に関するものである。本研究での成果により、広帯域特性を有し、且つ高出力動作が可能なMHz帯超音波トランスデューサの作製が可能になった。本研究での成果は今後、高分解能な医療用超音波プローブの開発や液中における音響化学反応用の超音波トランスデューサの開発に、大いに役立つものと期待できる。 本研究のオリジナリティーは、圧電縦効果による厚み振動モードの共振周波数を数十MHz帯に設定が可能になるように水熱合成PZT多結晶膜の厚膜化について検討し、それを実現したこと、従来までに報告されていなかった水熱合成PZT多結晶膜の圧電縦効果による厚み振動モードの振動特性を調査し、水中において超音波の送信、受信実験を行い広帯域特性を有することと感度も良好で有ることを明らかにしたこと、水熱合成PZT多結晶膜の特性を活かして、従来までに報告のない周波数において音響化学反応を実現したことである。 以上のことから本研究は水熱合成PZT多結晶膜の成膜プロセス、材料定数の測定、超音波の励振、受信、という内容から構成されている。また、水熱合成法を用いたPZT膜を用いた際の総合的な考察を述べ、この圧電材料としての特徴、利点および今後想定されるアプリケーションについて総合的にまとめ、さらに今後の課題についても言及している。
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Research Products
(1 results)