2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規糖転移酵素の基礎的研究と有用生理活性物質創製への展開
Project/Area Number |
05J08527
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
南 篤志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 糖転移酵素 / VinC / ビセニスタチン |
Research Abstract |
糖転移酵素は、官能基、位置、立体選択的に糖とアグリコンとの結合反応を触媒する。この特徴から、新規生理活性配糖体創製への利用(展開)が期待されている酵素(群)である。本研究では、抗腫瘍性抗生物質であるビセニスタチンの生合成における糖転移酵素(VinC)の機能解析及びVinCを利用した新規配糖体の創製について検討し、以下の結果を得た。 (1)VinCを利用した新規配糖体の創製 VinCの基質であるビセニラクタムは官能基に乏しく、極めて疎水的な化合物である。そのため、同様の性質を有する化合物であればVinCにより受容されることが期待できた。そこで、種々のアグリコンとdTDP-ビセニサミンとの酵素反応を検討した。その結果、化学構造のまったく異なるアグリコン(ブレフェルジンA、ゼアラレノール、エストラジオール、プレグレノロン等)がVinCに認識されることを見出した。また、受容されたアグリコンの最安定構造を比較することで、(1)分子の大きさ、(2)極性官能基の空間的配置、が基質認識において重要であると推定できた。 (2)逆反応を利用した新規配糖体の創製 配糖体創製の新たな方法論の確立を検討した結果、(1)ビセニスタチンとdTDPを基質とした酵素反応によりdTDP-ビセニサミンが生成すること、(2)本反応系中へ非天然型アグリコンを添加することで非天然型配糖体が創製すること、の2点を明らかにした。また、本反応はVinCにより受容される全てのアグリコンに対して適応可能であることも明らかにした。
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Research Products
(2 results)