2005 Fiscal Year Annual Research Report
単一生細胞におけるmRNA発現解析法を用いた細胞活動(分化・発生過程)の探究
Project/Area Number |
05J08539
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上原 大典 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / single cell |
Research Abstract |
本研究では、当研究室において開発した技術である単一生細胞から原子間力顕微鏡で細胞内容物を微小量採取しmRNA発現をRT-PCRにより増幅し検出する方法(single cell analysis)の技術向上とそれによる細胞活動の探索を目的としており、本年度は技術向上を主に行った。この方法では、細胞を殺さずmRNA発現を調べられるので、繰り返し実験を行うことにより同一の生細胞のmRNA発現変化を経時的に調べられる利点がある。しかし、同時に検出できるmRNAは2種類までであった。そこで、二つの方法でより多くの種類のmRNA発現の検出を試みた。一つは採取したmRNAを多種類のプライマーで増幅する方法である。この方法では、5種類のmRNAまで同時に単一生細胞から検出することに成功した。もう一つは、採取されたmRNAすべてを網羅的に解析するため、antisense RNA増幅法による増幅を試みた。antisense RNA増幅法では、mRNAより作成したT7プロモーターを含んだcDNAを精製する必要があり、採取されるmRNAは大変微小量なので通常の精製法では困難であった。そこで、逆転写反応時にビオチン修飾したプローブを用い、アビジンビーズで回収する方法で精製を行い増幅した。この方法で1pgから100fgのtotal RNAまた単一生細胞から採取した微小量のmRNAからantisense RNAの増幅に成功した。しかしながら、実用化するためにはantisense RNAの増幅効率を大きく向上させなくてはならない。
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