2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子の複合ナノ計測のための非開口型近接場光学/原子間力顕微鏡の開発
Project/Area Number |
05J08544
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
児玉 高志 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 表面プラズモン / 光近接場顕微鏡 / 表面増強ラマン / カーボンオニオン / finite-differential time-domain method |
Research Abstract |
生体試料のナノレベルの形状像や力学特性、並びに光学特性を同時に検出するために、我々は原子間力顕微鏡(AFM)と非開口型光近接場顕微鏡(ANSOM)を組み合わせた測定装置の開発を行った。測定装置は倒立型共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)の上部の空間にAFMを組み込むことで作成した。従来のANSOM技術では試料を広範囲に渡って測定することは困難であり、一般的にサイズの大きな生体試料の測定には不向きであった。そこでAFM探針の垂直方向の動作はAFMヘッドに組み込まれた圧電素子で制御し、水平方向の動作はCLSMの試料台に組み込んだ共通の圧電素子により制御することで、広範囲の試料の同時計測を可能にした。また我々が研究を行った限りでは、ANSOMプローブとしてこれまで用いられてきた金属探針では、局所光学シグナルを十分に増幅することができなかった。それは、探針先端の増強電場を本測定系では十分に増幅することができなかったためであると考えられた。そこで、我々は電磁場計算と実験の双方のアプローチから、金属微粒子を固定させた新しい金属探針の開発を行った。そして、本測定装置とその自作金属探針を用いて、気相中で基板上のカーボンオニオン分子のラマン画像と局所ラマンスペクトルを高感度で検出することに成功した。また、そのラマンスペクトルには位置依存性も存在することを確認した。しかしその探針は、優れたシグナル増幅率を示す一方、微粒子の半径よりも小さい試料の測定に適用することが困難なこと、光学ノイズが検出されることなどの短所があることがわかった。そこで新たに金属ナノロッドを用いた探針を開発し、それが小さい試料へ適用することが可能であることを実験により確認した。また本測定装置の水溶液中における正常な動作も確認しており、今後、生体計測へ応用することが可能であると考えられる。
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Research Products
(6 results)