2006 Fiscal Year Annual Research Report
項目反応理論に基づく実践的応用に関する実現可能性についての研究
Project/Area Number |
05J08557
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
光永 悠彦 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 項目反応理論 / 等化 / 尺度構成 |
Research Abstract |
項目反応理論(IRT)を応用したテストは、近年わが国においても多くのテスト機関において導入を検討する事例が増えてきている。この需要に対応するために、IRTモデルを精度よく推定し、かつ、多様なモデルを扱うことのできるソフトウエアを開発することを目的として研究を行った。それと平行して、テスト機関の要求により、語学テストの実データを用いた研究を行った。実データを用いた分析は、シミュレーション研究では見られない、IRTモデルが適用可能かどうかを判断する上で最終的な結論を得るために必要不可欠である。本研究では、IRTモデルを用いて、そのテストで実際に行われている下位尺度にこれまでとは異なる意味づけをした場合に、結果の解釈がどのように変化するかを検討した。その結果、下位尺度において異なる解釈をした場合でも、上位の尺度の解釈に大きな変化が見られないことがわかった。さらに、下位尺度の数を減らすと、各項目の項目特性に変化が見られる結果となった。これらの結果から、IRTを用いた試験の運用においては、最初にテストを計画する段階で下位尺度の選定を明確にすることが必要であることが見出された。この結果をふまえ、実際の試験で必要とされているIRTモデルを選定し、その項目特性と受験母集団の特徴を推定するプログラムを開発する予定である。
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