2006 Fiscal Year Annual Research Report
一層構造導波管スロットアレーの全構造精密解析とミリ波帯高利得領域での高効率実現
Project/Area Number |
05J08593
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
張 びょう 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 導波管スロットアレー / 一層構造 / 部分並列給電 / 4分配回路 / 散乱行列 / 全構造解析 |
Research Abstract |
逆相給電一層構造導波管スロットアレーは、原理的にスロット板と導波管の電気的接着は不要で、低コストで製作できる高利得で高効率なアンテナとして、25.3GHz帯ですでに実用化されている。より高利得で広帯域のアンテナを実現するには、逆相給電並列給電方式を検討した。従来の直列給電方式の長線路効果を低減すると共に広帯域化を目指している。その核となる構造として、隣接放射導波管間で逆相となる分配位相の実現性を重視し、帯域と位相特性の両立を図れる、新たに4分配回路を提案した。 4分配回路を有するアンテナの広帯域性を確かめるために、従来の直列給電と新しい部分並列給電構造を持つ二枚の32(導波管)×8(スロット)のアレーアンテナの設計と試作を行った。測定結果として、まず両方とも良好な反射特性を得られた;またアンテナの開口分布に関しても、設計どおりに長線路効果が半分に低減され、指向性利得では直列給電に比べておよそ1.5倍の広帯域効果を得られた。 アンテナの解析手法として、従来放射部と給電部を別々に解析されてきたが、今回は新たに全構造解析を試みた。まず、ダイディックグリーン関数の固有関数展開法とモーメント法を組み合わせた手法で、スロット間の相互結合を全て考慮し、アンテナ放射部の全体解析を行ってきた。また、300素子のアンテナに対し一回の計算時間はおよそ10数秒程度であるため、反復法によるアレー設計も十分可能である。さらに、高次の結合を無視し、基本モードのみを考慮した放射部全体と給電部各T-分岐回路の散乱行列を接続する方法で本アンテナの全構造解析を行なった。全体の反射特性と利得において、汎用電磁界シミュレータHFSSとよく結果が一致していた。
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Research Products
(4 results)