2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08615
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山野井 勇太 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 色 / 火山噴火 / 火山噴出物 / 可視光スペクトル |
Research Abstract |
本研究では,分光測色法による火山噴出物の詳細な色測定,高温状態での可視光スペクトル変化のその場観測,火山噴出物の色変化の速度論的検討を行い,火山噴火現象における火山噴出物の各過程での色変化機構の解明と,さらには,噴火現象に対する色からの温度・時間スケールの制約を与えることを目指している. 今年度は,昨年度開発した高温その場顕微可視分光計により測定することができたカンラン石の加熱による色変化のメカニズムを調べるために,回収した試料に対し電子スピン共鳴法,ラマン分光法,紫外・可視・近赤外分光法などを用いて研究した.その結果,カンラン石中にFe^<3+>が生成されるという"化学的変化"と表面などの粗さが変化するなどによる"物理的変化"によって,可視スペクトルが変化したことがわかってきた. また,桜島の山頂噴火による火山灰の色を測定した.その結果,噴火のタイプによって色の特徴が異なることがわかった.また,鉱物分離作業や鉄鉱物選択溶解法などを用いて色の原因物質の検討を行った.すると,色の原因として"試料表面での石基部分の鉄の酸化"と"微結晶の結晶化"が挙げられることがわかった.この内容は,The 2006 American Geophysical Union Fall Meetingで発表した. 一方,高温その場顕微可視分光計を改良することによって,粉体試料の反射光での測定も可能となり,鉄酸化物の一つであるヘマタイトの可視スペクトルの温度依存性を測定することができた.この内容は2006年分光学会春季大会において発表した.
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Research Products
(1 results)