2005 Fiscal Year Annual Research Report
固相合成反応の開発による有機材料および天然物のライブラリー構築に関する研究
Project/Area Number |
05J08631
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金原 篤 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 固相合成 / バンコマイシン / グリコシル反応 |
Research Abstract |
糖鎖変換型バンコマイシン誘導体合成に必要となる反応、手法の基礎研究を行った。 糖鎖変換型バンコマイシン誘導体を合成するにおいては、まずバンコマイシンアグリコンを十分供給する手法が必要となる。そこで、市販されているバンコマイシンより糖鎖部位を除去することで十分量の合成を行うことにした。実際には、アミノ基をAlloc基、カルボキシル基をアリルエステルで保護した後、3つのフェノール性水酸基をアリルエーテルで保護、残る水酸基を全てTBS基で保護した。得られた全ての官能基を保護したバンコマイシンを酸処理することで糖鎖部位を切断し、目的のバンコマイシンアグリコンを得ることに成功した。なお、この合成法によってグラムスケールでのバンコマイシンアグリコンの供給が可能となった。 次に糖供与体となるグルコースを固相上へ担持する反応の検討を行った。フェニルスルホン酸エステルリンカーは塩基性条件に、糖のアノマー位は酸性条件に不安定である。そこで、穏やかな条件で行えるPd触媒を用いたカップリング反応によって固相担持を行うことにした。はじめに、固相上のアミンに対するグルコースを有するヨウ化アリールとのカルボニル化反応を検討した。しかしながら満足いく担持量は得られず、副反応が問題となった。そこで次に、Stille-右田反応による担持を検討した。固相上のアリールトリブチルスズに対するヨウ化アリールとのカップリング反応について種々条件検討の結果、Pd触媒としてPOPd、溶媒にDMF、塩基を添加しない条件において、グルコースを固相上に担持することに成功した。
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