2007 Fiscal Year Annual Research Report
固相合成反応の開発による有機材料および天然物のライブラリー構築に関する研究
Project/Area Number |
05J08631
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金原 篤 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 固相合成法 / グリコシル化反応 / バンコマイシン / デオキシアミノ糖 / マンノペプチマイシン |
Research Abstract |
昨年度までに、フェニルスルホン酸エステルリンカーと固相担持イミダート糖を組み合わせた糖鎖変換型配糖体の固相合成法を確立し、バンコマイシン誘導体へと応用することで、グルコースを様々な官能基で修飾した糖鎖変換型バンコマイシン誘導体の合成に成功した。本年度は様々な抗生物質に含まれるデオキシアミノ糖の合成法開発および新規抗生物質であるマンノペプチマイシンの合成研究を行った。 デオキシアミノ糖は抗生物質などの生理活性発現機構において重要な働きを有していると考えられている。しかしほとんどが希少糖であり市販されておらず、その供給法が問題となっている。そこで様々なデオキシアミノ糖の効率的合成法の確立を目的に研究を行った。その結果、鍵反応としてインジウム触媒を用いた立体選択的分子内ヒドロアミノ化反応を新たに開発することに成功した。本合成法によって、短工程でライブラリー合成用のビルディングブロックとしてデオキシアミノ糖を数グラムスケールで供給することに成功した。 また、バンコマイシン耐性菌に対しても抗菌活性を有するマンノペプチマイシンに着目し、固相合成法によるライブラリー化を目指し、合成研究を行った。まず、マンノペプチマイシンアグリコンを構成する非天然アミノ酸の合成を行った。その結果、β-メチルフェニルアラニンはオキセタンに対するアルミニウム試薬を用いた開環アルキル化反応を鍵段階として、合成に成功した。また、Aiha-AおよびB合成では、立体選択的なアルドール反応と五員環グアニジン部位の構築法を確立し、それぞれの合成に成功した。さらに、各アミノ酸フラグメントをBoc法を用いて縮合を行った後、マクロラクタム化反応、五員環グアニジン部位の構築を行うことでマンノペプチマイシンアグリコンの初の合成を達成した。
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Research Products
(3 results)