2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08639
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
瀧川 紘 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 天然物合成 / 核間置換基 / 不斉合成 / ベンゾイン生成反応 / ピナコール転位反応 / イソオキサゾール |
Research Abstract |
生理活性天然有機化合物の中には、セラガキノンAやBE-43472類のように、核間位に置換基を有する複雑な多環式構造を有するものが数多く存在する。これらの化合物の合成においては、1)高度に酸素官能基化された基本骨格の構築と、2)核間置換基の立体選択的導入法が問題となる。本研究では、独自の手法を駆使してこれらの問題解決に取り組んでいる。 当研究室ではこれまでに、基本骨格の構築に関して有望な知見を得ている。すなわち、ニトリルオキシドと1,3-ジケトンとの縮合環化反応と、それにつづく分子内ベンゾイン生成反応とによって、核間位に水酸基を有する四環性イソオキサゾール誘導体の立体選択的合成法を開発した。 本研究では、このイソオキサゾール誘導体に対する核間置換基の導入法について研究を行っている。すなわち、得られたイソオキサゾール誘導体に対し、1)立体選択的な求核付加反応と、2)位置選択的かっ立体特異的なピナコール転位反応を行うことによって、核間位に置換基をもつ四環性化合物を合成するというものである。ここで、2段階目のピナコール転位反応において、首尾よく望みの反応が進行したことから、イソオキサゾールのカチオン安定化効果が示唆された。さらに基質一般性について詳細な検討を行った結果、置換基としてアリル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキニル基などが適用可能であることが分かった。 なお、本研究実績に関連し、雑誌論文1報の投稿を行った。(本報告書、項目11参照)
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Research Products
(2 results)