2006 Fiscal Year Annual Research Report
紫外パルスレーザーを用いた無機結晶材料の室温合成とナノ機能化
Project/Area Number |
05J08647
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 和香奈 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 紫外パルスレーザー / 無機結晶材料 / 室温合成 / ナノパターン / 薄膜 / ナノインプリント |
Research Abstract |
(1)無機結晶薄膜の室温エピタキシャル成長AlN/TiNエピタキシャル多層膜 これまでエピタキシャルと呼ばれる単結晶状のセラミックス薄膜を得るには結晶構造のよく似た単結晶基板上で約400℃以上の高温成長が必要であった。しかし、基板-薄膜間の格子ミスマッチを緩衝層を導入することで緩和し、前年度に緩衝層として超平坦サファイアα-Al_2O_3(0001)基板上に室温結晶成長する岩塩型構造のTiNを導入することで、PLD法によってAlN薄膜を室温でエピタキシャル成長させることができた。今回、サファイア基板上に[AlN(3nm thick)/TiN(3nm thick)]×3周期分を積層させ、全て室温でエピタキシャル成長させることができた。このAlN/TiN多層膜の抵抗率の温度依存性を調べたところ、20〜300Kでほぼ一定(〜2.5×10^<-3>Ωcm)の伝導性を示した。これは、高真空かつ低温のために薄膜に導入される窒素欠損のような欠陥が原因であるだけでなく、周期的な積層構造による影響であると考えられる。 (2)物理的に表面修飾された基板上におけるセラミックス薄膜の結晶成長 薄膜成長を行う際に用いる基板の表面構造は、その上に成長する薄膜の微構造や結晶性などに大きな影響を及ぼす。今回、大面積に一括でパターニングを行えるナノインプリント法によりポリメチルメタクリレート(PMMA)表面にナノパターンを形成し、基板として用いた。 (1)表面が平坦なPMMA上と(2)表面にナノパターンを有するPMMA上にZnOを堆積させ、その結晶性について比較した。(1)ではc軸配向性のZnO薄膜が得られたのに対し、(2)では多結晶性のZnO薄膜が得られた。これは、配向性の高いZnOがナノパターン上に成長する際、凹凸の底面や側面の異なる方向から成長してしまい、結果として多結晶性になったと考えられる。
|
Research Products
(3 results)