2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写伸長因子DSIFおよびNELFによる新規遺伝子発現制御機構の解析
Project/Area Number |
05J08656
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
相田 将俊 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 転写伸長因子 / 遺伝子発現 / DSIF / NELF / ChIP-chip |
Research Abstract |
転写伸長因子DSIFおよびNELFは協調してRNAポリメラーゼII(RNAPII)に作用し、転写伸長を一時停止させる生化学的活性をもつ。しかし、その機能の生理学的な役割はあまり理解が進んでいない。本研究では、第一段階として、前初期遺伝子junBの発現制御機構に注目し、この遺伝子が転写伸長段階でどのように制御されているかを解明することを目的とした。その結果、DSIFおよびNELFによるRNAPIIの一時停止はjunβ遺伝子において、i)発現誘導前からRNAPIIを転写伸長段階にしておくこと、そしてii)mRNAの発現誘導レベルを抑制することの2つの役割を持っていることが示された。昨年度までに申請者らのグループは以上の研究成果を論文にまとめ、国際雑誌に投稿した。そのため、本年度の前半は論文のrevisionにあてられた。このための追加実験によって、i)発現誘導前の一時停止が起きているプロモーターは恒常的にヌクレオソーム密度が低くなっていること、ii)DSIFとNELFは転写開始前複合体には結合しておらず、RNAPIIが転写を開始して約20塩基以上進んだ場所から徐々に結合してゆくこと、などを新たに明らかにすることができた。論文はacceptされ、8月にMolecular and Cellular Biology誌にpublishすることができた。現在はDSIFおよびNELFによるRNAPIIの一時停止サイトをゲノム全体でスクリーニングする解析を行っており、ENCODEタイリングアレイを用いたChIP-chip解析を中心にデータを収集している。
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Research Products
(1 results)