2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内における糖鎖修飾の機能解析用可視化分子プローブの開発
Project/Area Number |
05J08750
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤谷 直樹 北海道大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | O-GlcNAc化 / 分子プローブ / 糖鎖認識 / 糖鎖付加 / 表面プラズモン共鳴 / 核磁気共鳴 |
Research Abstract |
採用時に提出した年次計画に沿って研究を遂行した。 ・O-GlcNAc捕獲分子としてカブトガニ体液由来レクチンTL-2を遺伝子工学的に大量発現させることに成功した。Hisタグ融合タンパク質として、最大0.87mg/mlの収量を確認し以降の実験に十分であると判断した。 ・得られたTL-2とGlcNAcの親和力を表面プラズモン共鳴を用いて決定し、FRET法に応用可能か検討した。結合させるリガンドとして、N-アセチルグルコサミンモノマー(GN1)から、β-1,4結合したオリゴマー(3〜4量体GN3〜GN4)までを用いた。 表面プラズモン共鳴によって解離定数Kdを各々のリガンドに対して決定した。その結果、GN1、GN3、GN4に関してそれぞれKdは174μM、1.03mM、1.19mMであることが明らかになり、期待していた結合力は得られなかった。 ・リガンドにD-メチル-α-GlcNAcを用いた結果、Kdは109μMであり、TL-2は厳密にα体を認識していることが明らかになった。生体中で確認されるO-GlcNAc化は全てβ体である。そこで、結合領域に存在し立体障害になっているだろうAsn残基をGlyに変更した変異体を作成した。変異体TL-2はβ-GlcNAcをKdが222μMで認識し、O-GlcNAc検出プローブとして応用できる結果が得られた。 ・リガンドとして用いるために糖ペプチド合成を行った(論文掲載決定)。 ・本年度は以上のTL-2に関する実験と平行して新たな糖鎖認識タンパク質の探索も平行して進めた(他に糖鎖認識プローブに応用可能なものを見つけるため)。 ・その結果15アミノ酸残基からなるペプチドをファージ提示法により発見し、NMRによって立体構造解析を行った(論文執筆中)。 ・さらにカブトガニ体液から単離されたキチン結合ペプチドであるタキスタチンBの立体構造を解析した(論文投稿中)。
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