2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性エナメル質形成不全症の遺伝子解析及び変異タンパク解析
Project/Area Number |
05J08766
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
貴田 みゆき 北海道大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 遺伝性エナメル質形成不全症 / 蛍光X線回折 / X線回折 / タンパク機能解析 |
Research Abstract |
北海道大学病院歯科診療センターおよび関連病院との連携をとりながら、遺伝性エナメル質形成不全症症例収集を行い、その症例数を増やした。学振申請時点では解析する遺伝子として、X染色体上のアメロジェニン、常染色体上のアメロブラスチン・エナメリン・エナメリシンを対象としそれぞれに対応するPrimerを有していたが、学振採用後に報告された新たな責任候補遺伝子に関しても独自にPrimerを設計した。新奇の遺伝子としては17番染色体上のdistal-less homeobox3 gene(DLX3)と19番染色体上のkallikrein-4 gene(KLK4)が挙げられる。遺伝子レベルでの診断に至らない症例に対し左記責任候補遺伝子に関する遺伝子解析を行っている。現在は4世代にわたるX連鎖遺伝性エナメル質形成不全症において検出されたアメロジェニン遺伝子変異を、分子学的見知から追求すべくタンパク機能解析の系を構築した。この系ではヒト歯胚からアメロジェニンmRNAを抽出し、全長のアメロジェニンcDNAのクローニングに成功した。次いで、正常アメロジェニンcDNAをもとに同定した遺伝子変異をもった変異アメロジェニンcDNAも作製し、両クローニング産物をタンパク発現ベクターに組み込んで、in vitroの系でタンパクを発現した。正常・変異タンパクは安定に発現しその分子量もほぼ同じものであった。また、島津製作所との共同研究を行い、健康な歯および遺伝性エナメル質形成不全症患者の歯を用いて、蛍光X線回折・X線回折を行った。両者に有意な差は確認されなかったものの、形成不全歯を用いた系は報告が無く特筆すべきものである。これらの結果を総括し現在論文投稿中である。
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