2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規小胞輸送カーゴ受容体アルガデインの機能解析と神経変性疾患発症における役割
Project/Area Number |
05J08772
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荒木 陽一 北海道大学, 大学院薬学研究院, 特別研究院(PD)
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Keywords | アルツハイマー病 / Alcadein / キネシン / 神経 / 小胞輸送 / モータータンパク / 神経変性疾患 / たんぱく質代謝 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の発症因子とされるβ-アミロイドは、前駆体タンパク質APPの連続する2回の切断によって生成される。APPは生体内でモータータンパク質であるKinesin-1と間接的に相互作用し、小胞側の受容体(カーゴレセプター)として機能している。AlcadeinはX11Lという細胞内アダプタータンパク質を介して、APPと相互作用しAPPの代謝を安定化しβ-アミロイドの産生を抑制している。 1回膜貫通型タンパク質Alcadeinは細胞外にCadherinリピートをもつ新規ノンクラシカルカドヘリンタンパク質である。研究代表者はいままでにAlcadeinの細胞質ドメインにモータータンパク質キネシン-1が結合することを見いだしていた。今年度の研究により、初代培養神経細胞内でもやはりAlcadeinがキネシン-1により輸送されることを全反射顕微鏡をもちいて証明した。さらにキネシン-1のサブユニットであるキネシン軽鎖-1,2のsiRNAによりAlcadeinがキネシン-1により神経細胞内を順方向に輸送されることを証明した。また多色同時観察全反射顕微鏡検鏡により、他のキネシン-1カーゴとして知られるAPPとAlcadeinは同じ細胞内で違う速度により輸送されることを見いだした。これはモーターの種類が輸送速度や目的地を決めていると言う従来の概念から、カーゴ側がモーターの活性を自由に制御して目的地やその輸送速度までも制御しうると可能性を提示するものである。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] The novel cargo Alcadein induces vesicle association of kinesin-1 motor components and activates axonal transport2007
Author(s)
Yoichi Araki, Takanori Kawano, Hidenori Taru, Yuhki Saito, Sachiyo Wada, Kanako Miyamoto, Hisako Kobayashi, Hiroyuki O Ishikawa, Yu Ohsugi, Tohru Yamamoto, Kenji Matsuno, Masatake Kinjo, Toshiharu Suzuki
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Journal Title
The EMBO Journal (In press)(March 1 on Web AOP)