2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規小胞輸送カーゴ受容体アルカデインの機能解析と神経変性疾患発症における役割
Project/Area Number |
05J08772
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荒木 陽一 北海道大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アルツハイマー病 / Alcadein / アミロイド前駆体タンパク質 / プレセニリン / アミロイド / キネシン / 小胞輸送 / 神経変性疾患 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の発症因子とされるβ-アミロイドは、前駆体タンパク質APPの連続する2回の切断によって生成される。APPは生体内でモータータンパク質であるKinesin-Iと間接的に相互作用し、小胞側の受容体(カーゴレセプター)として機能している。AlcadeinはXIILという細胞内アダプタータンパク質を介して、APPと相互作用しAPPの代謝を安定化しβ-アミロイドの産生を抑制している。私は本年AlcadeinもKinesin-Iのカーゴレセプターとして機能することを発見しその解析を行った。AlcadeinはKinesin-Iのサブユニットであるキネシン軽鎖(KLC)と直接的た相互作用し、カーゴレセプターとなる。またJIP1というAPPとKinesin-Iの結合を増強する働きのあるタンパク質が、逆にAlcadeinとKinesin-Iの結合を顕著に阻害することを発見した。これはJIP1がKinesin-Iが小胞を輸送する際、APP小胞を輸送するか、Alcadein小胞を輸送するかのカーゴ選択を担っていることを示唆している。さらにAlcadeinはAPP同様に2回の連続した切断を受け、Aβ様ペプチドβ-Alcを産生することを明らかにした。家族制アルツハイマー病変異を導入したプレセニリンにより、β-Alcのγ-secretase切断サイトが変化することも明らかになり、アルツハイマー病患者では長鎖Aβの産生とともにより長いAlcadein代謝産物が産生されていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)