2005 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける循環型社会に向けたタイの廃棄物管理の課題
Project/Area Number |
05J08862
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 創 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 国際資源循環 / 廃棄物管理 / 循環型社会 / リサイクル / アジア / タイ / 3R / 国際協力 |
Research Abstract |
近年、国際資源循環や3Rイニシアティブなど循環資源の国際貿易が注目され、各国の処理・リサイクルの課題を明らかにすることが喫緊の課題とされている。しかし、循環資源の最大の輸入国である中国以外のアジア諸国の研究は稀有である。 研究代表者は、2005年6月よりチュラロンコン大学政治学部のスリチャイ準教授の下で、これらの課題を明らかにするため1年間の予定で現地調査を行ってきた。その結果は次の通りである。 1.2001年の産業廃棄物処理・リサイクル市場緩和政策のメリットによりタイの処理業者は急増し、以前に指摘された処理業者・能力不足は解消されつつあるものの、過当競争が生じ不法投棄や不適正処理などのデメリットが存在する。 2.中国と異なりタイは循環資源の輸入国だけでなく輸出国でもあり、国際資源循環の貿易動向をアジア各国で把握する必要がある。 3.他のアジアに比べても、リサイクル業者の能力が高まり、また国際資源循環に対して「汚染性の問題」を解消できればタイ政府も比較的柔軟に対応しており、アジアに渡る循環型社会形成という課題に対して示唆に富む事例が多い。 これらの現地調査の結果を平成17年度は、下記に記した雑誌論文を発表する、と共に、第16回廃棄物学会研究発表会での学会発表、International Conference on Hazardous Waste Management for a Sustainable Future、ASIA-PACIFIC FORUM FOR ENVIRONMENT AND DEVELOPMENT(Second Phase), Expert Meeting on the 3Rs in Asiaなど国際会議でも報告を行った。次年度は、これらの調査を元に国際資源循環を踏まえたタイの循環型社会形成に向けた課題を整理する予定である。
|
Research Products
(3 results)